分離膜におけるバイオフィルム形成の防止を目的とし,抗微生物活性を有するシリコーン分離膜の開発を行った。オレイン酸銀-ジエチルエーテル溶液にシリコーン膜を含浸することで,銀含浸シリコーン分離膜を調製し,その抗微生物活性と分離特性を調べた。JIS Z2801に従い,抗微生物活性を4種の微生物(Escherichia coli NBRC3301,Staphylococcus aureus NBRC13276,Saccharomyces cerevisiae NBRC1060,Candida albicans NBRC1950)について検討した。銀含浸シリコーン膜は,C. albicans以外の細菌と酵母に高い抗微生物活性を発揮した。ストマッカー処理後(1分間)により,活性を低下しが,依然十分な活性を維持していた。また,分離特性を評価するために,銀含浸シリコーン膜に対するペンタクロロフェノールの透過速度をPermeation and Chemical Desorption法により測定した。銀含浸シリコーン膜は分離特性を完全に保持しており,銀含浸シリコーン膜は抗微生物活性を有するシリコーン分離膜であることが示された。
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Silicone separation membrane(シリコーン分離膜)/Oleinic acid silver(オレイン酸銀)/Biofilm(バイオフィルム)/Separation performance(分離能). |
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