これまであまり知られていない,ウナギと微生物に関する世界を紹介したい。現状では,国の研究プロジェクトとして,ウナギの人工的完全陸上養殖に成功してはいるが,まだ採算性に見合う商業的なレベルには至ってはいない。そのために,当研究室では,ウナギ仔魚に与えるピコプランクトンなどの微生物素材を加工した浮遊性餌料の開発を行ってきたが,完成には至っていない。今後も,上記のような商業的な完全養殖技術を確立するための研鑽が必要である。またそれが確立されても,その後の養殖の過程でダクチロなどの寄生虫病や骨曲がり症などの問題が残っているのでその対策も急がれる。