ファインバブル(Fine bubble:FB)技術は,日本が世界に先行して見出した革新的な技術で,その起源は1998年と比較的に新しい。当初,徳山工業高等専門学校の大成博文教授は広島県カキ養殖業者から赤潮被害の改善依頼を受け,開発中であった水質浄化用の旋回式微細気泡発生装置の試作器をカキ筏に適したものに改良し,実際に,海面下に設置して実験を行った。この時の微細気泡の直径は50μm程度であったが,カキは死滅を免れた。その後,様々な魚介類の養殖(カキの他にホタテ,アワビ,エビ,ウナギなど)への利用が試みられ,同時に,FBの発生装置とその粒子径や粒度分布などの測定装置の開発が進められた。最近では,FB技術は多様な家庭用品へ利用され,身近なものになった。